CDのアルバムをレゴで表現する、というエントリーから。
「20 Album Covers Recreated in LEGO | The Toy Zone」
レゴは、どうにもオトコたちの遊び心をくすぐるらしく、検索すると沢山のレゴアソビプロジェクトが出てきます。
たとえば、500万個ものレゴで作られた岩をごろごろ坂道を転がして、インディージョーンズごっこをするプロジェクト。
オトコってほんとしょうもないよねーと思います。
でも面白い、というかうらやましい気持ちは多分にあるのだけれど。
プラモ感覚も楽しいけれど、レゴはもっとミニマムな「いじれる感」があるからこそ、
「どうよ、お前コレ使って遊んでみな」と試されているようで、想像力が喚起されるのだと思います。
シンプルなゲームや、ツールのほうがはまりやすいのは、「余白」が見えるからなんですよね。
このことは、つい詰めすぎてしまい、一方的なコミュニケーションとなりがちなWebでは、
大切なポイントだと思います。
もうちょっとユーザで勝手に遊ばす領域を増やしてみようぜ、というアソビの本質をストレートに貫いたのが、レゴなのでしょう。
iPhoneのインターフェースだからこそできるアプリ。
広告として考えると、素晴らしく「その媒体を使う理由」が明確で、
一目で分かるアイデア一番勝負な感じが、気持ちいい事例です。
うーん、毎日暑いし、飲みたくなっちゃいますねえ。
といいながら、私、完全なる下戸なので、実はそうでもありませぬ。
http://www.carling.com/ipint_details.html
と、いうエントリーが大変に面白いです。
Michel Gondry Picks 25 Classic Music Videos
エンターテイメントの提供という意味で、Webの領域にも多く転用されている、いわば「定石」の類型が豊富にあります。
その中から、自分が特に気になった作品をいくつかピックアップ。
Peter Gabriel "Sledgehammer"
妙に「今」の気分にマッチするから不思議です。
Red Hot Chili Peppers "Give It Away"
「肉体の躍動」の光景は、ひたすらに生の世界であり、美の世界です。
Nikeの広告展開が想起されます。
Beastie Boys "Sabotage"
にやにやしながらも、ついつい引き込まれる力があります。
「お約束とつっこみ」って、やっぱり強いなあと思います。
今はクローズしていますが、「ロングヘアーカンフーマン」というWebキャンペーンを思い出しました。
Björk "It's Oh So Quiet"
素直に観ていて楽しくなる、プラスの力に巻き込まれる、コミュニケーションの仕方です。
The Cure "Close to Me"
楽器モチーフとしての、小物の使い方(櫛や指人形など)は、UIで相当に転用できるアイデアだと思います。
このちょっとかわいい感じのセンスが、やっぱりポイントですね。
Michael Jackson "Leave Me Alone"
独特な世界感の進行から、歌(コンテンツ)を魅せていく方法は、一番Webらしい手法だと思います。
創り込み系のサイトは数多くありますが、ここまでアナログ性とエンターテイメント性にあふれた突き破った例は、
少ないのではないかと思います。
創り込み系の行き着く先は、こんな世界なんじゃないかな、となんとなく思えます。
流石に25本観るには相当な時間を要しましたが、古典と言えど相当なアイデアの宝庫です。
まあ、たまには頭を柔らかくしましょか、ということで。
まずは、ユーモアとしてではありますが、でも妙にリアルな、
『交通標識の"STOP"サイン」をもし、クライアントの言葉通りにデザインしたら、というムービーから。
程度の差こそあれ、自分にも思い当たるプロジェクトは多く思い出されます。
そして同時に思い出されるのは、エイビスとDDBとで交わされたという「広告哲学」の話。
エイビスとDDBと言えば、まず頭に浮かぶのは、下の有名な広告だと思います。
「エイビスはレンタカー業界2位です。私たちの車に乗る人はいるのでしょうか? 」
というコピーに続き、
「私たちは2位です。だからがんばります。」という広告メッセージ。
2位だからこそできる、そして自社中心に捕らわれがちなクライアントサイドからはまず出てきそうにない、
発想の広告コミュニケーションだと思います。
こういったエイビスの一連の広告は、どのようにして産まれたのか?
そこには両社による素晴らしい「広告哲学」の存在がありました。
以下は、その内容です。
1. エイビス社は広告のことをDDB社ほど知らず、DDB社はレンタカー・ビジネスをエイビス社ほどは知らない。
2. 広告の目的は、頻度の高いビジネスのレンタカー客にエイビス社をトライアルさせることである。
3. 競合会社の広告活動より5倍効果のある広告をつくるために、努力を惜しまない
(注:当時、エイビス社の競合会社は、エイビス社の5倍の広告費を使っていた)4. この目的のために、エイビス社は提案された広告案を承認または却下するが、しかし改良はしない。
5. この目的のために、DDB社自身が推薦できる案だけを承認のために提出するものとする。エイビス社が求めているものを提出するのではない。
6. メディア選択はもっぱらDDB社の責任において行われる。しかし、DDB社はエイビス社からガイダンスを受け取ってからその作業を始める。
最初のムービーと比較したときとの決定的な差とは、
両社のプロとしてのリスペクトとコミットメントを、ルールとして明文化し、それを徹底して守ったことだと思います。
これは、いまだに色あせない、むしろ広告主と広告代理店とで、成熟した広告ビジネスの関係を構築するための、
ベストプラクティスと言えると思っています。
プロとして、こうありたいと思いますし、こうあるべきだ、と背筋が伸ばされる哲学の事例です。
過去から、他業種から、Web業界が学ぶことは、本当に沢山あると思います。
ポケットにペンをさし、そのインクの模様から服が創られていく、いうコンセプトの洋服。
そして若干官能的でもあります。
水に戻すと元に戻るのですが、むしろそのままの方が私は好きかもしれません。
flexibility - renewable clothing by fernando brízio
見回すと、自分にとって、今は面白いことって沢山ありすぎます。
もし見回さなくっても、勝手に情報は沢山入ってきます。いるも、いらないも構わずに。
だから広告がそれに負けてたら、覚えてもらえないし、見てすらもらえない。
Webなんてもっとシビアで、探し当ててもらえないと、そもそも勝負すらできない。
このブログだってそうですね。
だから、エンターテイメントを意識した広告が増えるのは、至極当然なことだと思います。
(コンタクト・ポイントを設計する、メディアの枠を買う、検索で待ち構える、なども重要な方法ですが、
それらの話題はこのブログではあまり触れてはいかないと思います)
ということで、3つほどエンターテイメントの領域から発想された、広告事例をピックアップ。
1. 「圧倒的なクオリティの高さで魅せる」方法
"Face the task" Farfar (Nokia N96.)
Webサイトも圧倒的なエンターテイメント性を見せています。 →コチラ
2. 「懐かしさを、逆に新鮮にしてしまう」方法
Nokia - Get out and play
サイトも素晴らしく、過去にエントリーもあります。→コチラ
3. 「一ひねりしたユーモア」の方法
Nike Italy - Pirlo
Barclays - Sticky Note
もっと多くの方法はあると思いますが、いずれも「ああ、なんか観て良かったな」と思う体験を創るための方法です。
それが、売れることにつながるの?という疑問も、もちろんあると思いますが、広告だってコミュニケーション。
結局のところ、人と人との関係づくりと同じだと思います。
ブランド(自分)は、まず好感をもって知られる必要があるし、そこから想起が始まって、
少しずつブランド(私)を知ってもらえるようになっていく。
トリッキーな方法もあると思いますが、やっぱり地に足をつけるならこんなステップだと思いますし、
私はそういった関係作りを、クライアントには伝えていきたい。
確かに、もっと手っ取り早く、もっと目立たないと、なんて気を起こさせる世の中だとは思います。
でも、情報過多な今の時代だからこそ、「本当に自分にとって面白いと思えるものだけを」求められているんだと確信しています。
と、いささか堅くなりましたので、口直しにR.E.M.。うーん、かっこいい!
R.E.M. - Man-Sized Wreath
Directed by CRUSH
今月号の "Web Designning"誌、AKQA稲本氏によるコラムで知った「The Eye」という映画のサイト事例。
まず、見てのとおりファーストビューからして、とても怖い。
目だけです。
リアルさを相当に追求しているため、滑稽な気分には決してなりません。ここがまず怖さの肝だと思います。
そしてその目が、マウスオーバーの動きに従って追ってきます。
恐怖感を煽るサウンドの使い方がとても巧く、追い討ちを掛けてさらに怖い。
目をクリックすると、フラッシュバックして映画のシーンが流れますが、この内容もまた怖い。
Webで初めて徹底的に「怖い」「怖い」「怖い」という感情を突きつけられた事例です。
一方、これだけで十分に映画の世界は伝わるものだとも感じました。
詳しい情報は、Webで。
もっぱら詳しく知るためのメディアとしてのWebの使い方、という固定観念にすっかり捕らわれていた自分に気づきます。
つまり、CM的な感情を与える使い方も、コンテクストに沿っていればWebでも十分に可能なんですね。
すごく当たり前な気づきが得られた、という点で怖いですが、とても有益なWeb体験です。
制作は、スペインのプロダクション "Shackelton Digital"
PaperVision3Dのライブラリ公開から、急速に増えているWeb3Dのサイト事例について、2つほどから少し考察を。
少し前までは、実験的に使われるサイト事例が多かった気がしますが(Sony BRAVIAとか)、
最近では、「ユーザの状況や使われ方」と「手段の理由」が戦略的に見える事例が多く見られるところに、
大きく変わってきている感があると思っています。
たとえば、まず一つ目。
すごくシンプルな使われ方なのですが、
ポートフォリオは、作品だけに集中して欲しいので、過剰な演出や、考えさせるUIはやっぱりそぐわない。
だからクリックだけで、リニアに作品を閲覧してもらうことが、一番素直な伝達方法だと思います。
その点このサイトは、「あくまで作品が主であること」、「そのためにシンプルで気持ちいい閲覧体験を創ること」に
目的に絞って、あくまで演出のアクセント、閲覧を飽きさせないための演出として、戦略的に使っているところが、
とても優秀な事例ではないかと思うのです。
次は、ROXIKの城戸氏による、最近の事例「エコだ!動物園」。
アナログ感覚ある3Dというところが、とてもユニークだと思います。
セカンドライフ的な無機質な3Dの世界ではなく、生理的に移入しやすいようなアナログな世界観から、
少しでも中へ中へと見てもらい、楽しんでもらおう、という意図が感じられます。
この世界観とストーリー展開のあり方は、「楽しんで触ってもらい、回遊をしてもらい、何かを伝えていく」とてもWeb的なアプローチ。
Web3Dは、より世界観に入り込んでもらうための手法、という考え方が実現されているので、テクノロジー・オリエンテッド感がないのかな、と思います。
手段はすべてにおいて、このあたりがやっぱり使ううえでのポイントなのでしょう。
新しい手段を、このように巧く使われた事例を見ると、逆に本質論を説かれているようで、むしろはっとしたりします。
自分の体験・知識・知恵はては人脈までも「ネット上で売る」という、とても興味深いサービス。
これはとても面白いビジネスです。
シビアなユーザ評価にさらされるわけですから、提供者は内容のちがいと質が、おおいに問われるでしょう。
でも、もちろん自分のこれまでの知恵を売るわけなので、Blogとは違い、強力な収入源にもなりうる。
そして評価を受ければ、自分ブランディングへの貢献度はとても高い。
オンラインラーニングシステムとも違い、ネット上である程度調べられる情報群とも違い、
本来であれば、リアルなかつ親密な関係を築けなければ得られない「生の知恵」が買える、というサービスへの、
ユーザ側の潜在ニーズは、情報過多な今のネット状況からすると、とても時代に即したサービスではないか?と思います。
これから、どのような展開を見せて発展していくのか、大変に興味深いです。
ふと、デザインバーコードさんのサイトを訪れたら、凄まじい企業理念に目が留まりました。
これまで全く知らなかったことも反省ですが、
それより、本質をガツンと叩きつける内容そのものにクラクラときましたので、自戒を込めてあえて引用です。
デザインバーコード企業理念
クライアントにコネのあるバカ息子を1人雇うぐらいなら、プレゼンボードを1万枚買った方がましだ。
広告をみているヒマがあったら、フジロックに行きたいし、知らない娘とセックスしたり、ニンテンドーDSに夢中になりたい。そんな時代に、お金を払ってでも見たくなる広告を。
募集職種を探りにくるのではなく、うちに何が足りないか聞かせてくれ。そこをあなたが埋めればいい。
最強のメディアは、テレビでも新聞でもなく、人間だ。
広告の競合は、他社の広告ではない。広告がこれから戦う本当の相手は、他のエンターテイメントだ。
詩やコピーは翻訳すると消えてしまう。アイデアは翻訳しても消えない。
ビッグアイデアは、小さい。
莫大な広告費を使って、消費者の心をつかみたいなら、消費者一人一人に、その金を配ればいい。
広告を人気者に。
シンプルですが、パワフルな本質への希求と、信念に溢れる理念です。
パンクの精神を感じました。